公社の経営

公社の経営

名古屋高速道路公社は、昭和45年9月愛知県と名古屋市により、建設大臣(現在は国土交通大臣)の認可を受けて、出資・設立され、地方道路公社法及び道路整備特別措置法に基づいて、名古屋高速道路(以下:名古屋高速)の建設・管理を行っている特別法人です。
この建設・管理に必要な資金は、お客様からいただく通行料金収入で返済することを基本として借入金で賄っています。 このことから、公社の経営に当たっては、地域とお客様の皆様のお役に立てるよう、安全で使い易い道路の建設、道路管理を実施していくために効率的でかつ安定した経営を心掛けています。

都市高速道路の特性

都市高速道路は、自動車のための専用道路で、定速で走りやすい構造となっていることから、一般道路と比べて、少ない車線数で大量の交通を流すことができます。したがって、土地の制約が大きく大量の自動車交通が発生する都市圏では、有用な道路です。また、定速走行が可能であることは、燃費効率の向上、大気汚染物質排出量の低減、効果的な騒音対策が可能であるなどの環境面や、交通事故が少ないなどの安全面に優れた特性を持っています。
このような都市高速道路の特性を十分に発揮するためには、都市内の道路網が完成された状態で、尚且つ、都市高速道路が高度に利用され、都市全体の道路網の渋滞や環境負荷が最小化されることが望ましく、このような状態において、道路利用者・都市にとって利益 (便益)が最大化されます。
したがって、限られた予算の中で、計画されているすべての道路施設を早期に整備するため、有料道路制度を活用し、都市高速道路の整備促進を図ることが、都市の渋滞対策、環境対策に大きく寄与するものと考えています。

公社の料金制度

一般道路は税金でつくられていることから無料となっています。しかしながら、税金だけでは整備に相当の期間を要するため、借入金で道路をつくり通行料金で返す有料道路制度(昭和27年)ができました。名古屋高速もこの制度によって建設されています。
この制度では、新しく開通区間が延びたときはその延びた部分の事業費を加えて総費用を再計算し、一定期間に総収入でまかなえるよう通行料金を見直す必要があります。

1. 通行料金決定の基本的考え方

ア) 償還主義
一定期間中の総収入と総 費用が等しくなるように通行料金が決定されています。

(営利目的でないことから、利潤は含んでいません)

イ) 公正妥当主義
他の交通機関や有料道路の料金、物価水準等に比較し社会的経済的に妥当と認められるよう決定されることになっています。

2. 料金制度の変更

一般的に、有料道路の料金は、利用する距離に応じて決まる「対距離料金制」と距離にかかわらず均一とする「均一料金制」の二つの制度があります。
均一料金制は、以下のような利点があり、名古屋高速ではこの料金制が採用されていました。

  • 料金体系が簡素なため料金収受の時間が短時間で済み、都市内の大量の交通を効率よく円滑に処理することができること
  • 利用距離が長いほど割安となるため、長距離交通の高速利用を促すことから、平面道路との役割分担の効果が高くなること

また、都市高速道路が利用形態の異なる圏域にまたがる場合には、別の料金圏として料金設定することが合理的と考えられることから、名古屋高速道路においては、名古屋線料金圏と尾北線料金圏(高速11号小牧線・高速16号一宮線)を設定しておりました。

近年のETC普及により対距離料金が技術的に可能になってきたこと、平成25年に名古屋高速道路が全線開通しネットワークが拡大したことにより、均一料金制による不公平感や割高感が大きくなってきていること、首都・阪神高速道路が先行して対距離料金制へ移行されたことなどから、国の方針に沿って、令和3年5月1日名古屋第二環状自動車道西南部(名古屋西JCT~飛島JCT)開通に合わせて対距離料金制を導入いたしました。

3. 償還期間

名古屋高速の償還期間は、全路線の平均的開通日(換算起算日)から40年以内としていましたが、老朽化及び震災への対応として大規模修繕を実施するため、国の新規制度として、50年以内の償還期間とすることが認められました。
その後、「有料道路整備資金貸付要領」が改正され、令和2年4月より償還期間の上限は60年以内となっています。

4. 料金の決定手続き

公社が作成した料金案について、道路管理者(愛知県、名古屋市)の同意を受けた後、国土交通大臣の認可を得る手続きが必要となります。
公社は、上記料金案の作成に先立ち、お客様からのご意見を聴取するとともに、当公社理事長より、学識経験者、経済界及びお客様代表の方で構成する「料金問題調査会」に諮問し、その答申に基づいて料金案を作成するものとしています。

5. 料金問題調査会

料金問題調査会は、新規路線が開通する場合など料金認可の手続きを進める際に、料金案について、学識経験者、経済界、お客様の代表の方々からご意見をいただく目的で、当公社の任意の手続きとして開催するものであり、平成6年10月に設置されています。
この料金問題調査会でいただいたご意見を踏まえ、公社で料金案を作成し、道路管理者(愛知県、名古屋市)の同意を受けた後、国土交通大臣の認可を得て、料金が決定されます。

経営の管理

当公社では、平成16年2月に経営改善計画を定め、その後も引き続き、公社の基本理念・基本方針を実現するため、概ね3年ごとに具体的に取り組む施策を取りまとめた中期経営計画を策定しております。
令和4年6月には、“名古屋高速は、時代の潮流を踏まえ、名古屋都市圏を支えるとともに進化を続けます”を中期経営方針とする「中期経営計画(2022-2024)」を定めました。 この計画に基づき、道路ネットワークの充実・有効活用、安全・安心の徹底、快適なドライブ環境の追求とともに、社会的責任の遂行と経営基盤の確立に向けて、各施策への取り組みを着実に進めてまいります。

2022-2024中期経営計画(10.8MB)